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名古屋市・豊田市の派遣会社エイチアールテクノのお伝えする派遣法改正のポイント

二度の派遣法改正がある令和3年

今年は1月と4月に労働者派遣法が改正されます。
派遣会社にとって重要な変更が多いのですが、派遣社員さんにも知っておいてほしい内容をわかりやすくご案内します。

主な変更は6項目

施行日:2021年1月1日

1. 派遣労働者の雇入れ時の説明の義務付け
  教育訓練やキャリアコンサルティングについての説明が必須になりました

2. 労働者派遣契約に係る事項の電磁的記録による作成について
  必ず書面の契約書が必要でしたが、データでもOKになりました

3. 派遣先における派遣社員からの苦情の処理について
  派遣先企業の担当分野についての苦情には、派遣先企業が誠実・主体的に対応するよう明記されます

4. 日雇派遣について
  本人の責任以外の理由で派遣契約が解除された場合は、派遣元が休業手当を支払うなどの対応が必要です

施行日:2021年4月1日

5. 雇用安定措置に係る派遣社員の希望の聴取等について
 派遣契約終了時、派遣社員さんに今後の希望を聞き、派遣元管理台帳への記録を義務付けます

6. マージン率等のインターネットでの情報提供について
 今までは書面での提供などインターネット公開しなくてもよかったものが、常時インターネットで情報提供をするように変更されます

1~4は、施行日が1月1日なので、現時点(2021年1月7日)で既にスタートしています。
基本的には今までと変わりないのですが、きちんと明記されわかりやすくなった印象です。
(2の電子化は、「脱ハンコ」と共にこれから進むかもしれません)

5・6については、派遣会社の対応が必要です。
弊社でも、5⇒派遣元管理台帳の改変、6⇒インターネット公開の対応、が必要になります。


派遣社員さんに関わりあるポイント


今回の改正(2021年1月改正分)は、派遣会社(派遣元)と派遣先企業に関する内容が多いのですが、派遣スタッフさんの立場で重要なポイントをまとめておきます。


名古屋栄・豊田市の派遣会社エイチアールテクノの派遣法改正についての話題

1. 雇入れ時の「教育訓練」「キャリアコンサルティング」説明

派遣会社は元々、希望する派遣社員さんにはキャリアコンサルティングを実施する必要があります。
教育訓練についても、派遣社員さんのキャリア開発のため、計画に基づいた教育訓練(研修)を受けて頂くことになっています。

今回の改正では、その教育訓練とキャリアコンサルティングについて、雇入れ時に説明することが義務付けられました。

キャリアコンサルティングは、制度自体は整っていても、実際に利用する方が少ない面がありました。
雇入れ時に説明することで、派遣社員さんの理解が深まり、利用しやすくなりそうです。

キャリアコンサルティングとは

キャリアコンサルティングとは、派遣社員さんと担当者(キャリアコンサルタント)が一緒になって、その派遣社員さんのこれからのキャリアについて考え、目標・展望を共有する、ということです。

派遣社員さんの希望・経験やスキルなどを踏まえ、どのようなお仕事をしていきたいのか、将来的にはどのようなキャリアを積んでいきたいのか、そのためにはどのような努力が必要なのか、等を考えます。

あくまでも派遣社員さんが主体となって行うもので、担当者は派遣社員さんがキャリアプランを考えやすいように指導・アドバイスを行います。

3. 派遣先企業の苦情対応について

元々、派遣先企業にも「苦情処理担当者」が決められており、もちろん今までも苦情に対応していました。
しかし実際に苦情があった場合には、雇用主である派遣会社がメインで対応する場合が多かったようです。

今回の改正で派遣先企業がより積極的に取り組むようになれば、派遣社員さんは今まで以上に安心して働けるようになりそうです。

4. 日雇い派遣について

無断欠勤や遅刻が多いなど、本人の責任による契約解除以外の契約解除については、派遣元が「次の派遣先を確保する」「休業手当を支給する」等の責任を果たすべき、と明記されました。

日雇い派遣だと契約期間が短い可能性があり(概ね30日以内)、金銭面の補償が曖昧になりがちですが、明記することで「休業手当の支給」等が確実に実施されるようになります。

日雇い派遣には制限があります

日雇派遣(ひやといはけん)とは「契約期間が30日以内」、もしくは「週の労働時間が20時間未満」の派遣雇用契約です。
2021年1月現在、以下のいずれかの条件を満たす人しか日雇い派遣で働くことはできません。

・60歳以上の方
・学生の方(雇用保険の適用を受けない昼間学生)
・生業年収が500万円以上の方(副業として働く方に限る)
・世帯年収が500万円以上の方(主たる生計者以外の方に限る)


※以下の業務であれば、年収等に関係なく日雇派遣で働くことができます
(それぞれ高いスキルと経験が必要です)


・ソフトウェア開発
・機械設計
・事務用機器操作
・通訳、翻訳、速記
・秘書
・ファイリング
・調査
・財務処理
・取引文書作成
・デモンストレーション
・添乗
・受付・案内
・研究開発
・事業の実施体制の企画、立案
・書籍等の制作・編集
・広告デザイン
・OAインストラクション
・セールスエンジニアの営業、金融商品の営業


2(契約書の電子化)については、派遣先・派遣元間の契約書に関することなので割愛しました。

※ 派遣元(派遣会社)と派遣社員さんの間で必要な「雇用契約書」「労働条件通知書」については、既に電子化が認められています。


名古屋栄・豊田市の派遣会社エイチアールテクノのメールのイメージ

まとめ

2021年1月1日の派遣法改正に関しては、基本的には従来制度の明確化がメインでした。
今までしっかりと対応してきた派遣会社であれば、特に大きな変更はありません。
(派遣社員さんにとっては、より安心できる法整備といえます)

2021年4月1日の改正では、派遣会社での対応が必要になる部分があります。
・派遣元管理台帳の改変(派遣社員さんに聴取した内容を追記する必要がある)
・マージン率のインターネット上公開(今までは、事務所で開示もOKだった)

4月改正分の派遣社員さんへの影響は、また別のトピックスで紹介していく予定です。

【参考】
日本人材派遣協会 https://www.jassa.or.jp
厚生労働省リーフレット「キャリアアップ措置や雇用安定措置等の派遣元の責務が強化されます」 https://www.mhlw.go.jp/content/000700279.pdf